2018年1月26日

社会人向け◆もし定年がないのなら何の仕事がしたいか(展覧会『北斎だるせん!』)

皆さんは、「何歳になっても続けたい仕事」がありますか?

名古屋市博物館では、2017年12月17日まで、特別展「北斎だるせん!」が開催されていました。(※1)
葛飾北斎は、ご存知、「冨嶽三十六景」で有名な江戸時代の浮世絵師です。

その有名な北斎は一時期、名古屋に住んでいたそうです。
名古屋に住んでいた際、北斎は縦18mの大きな紙に大だるまを描くイベントを行いました。このイベントは大きな評判となり、北斎は「だるま先生」→「だるせん」というあだ名がつけられたそうです。

北斎だるせん_名古屋市博物館

(画像は名古屋市博物館で展示されていたイメージ模型です。北斎の描いた大だるまの絵は、残念ながら現存していないそうです。)

18mもの大きな紙に下書きなしで絵を描くには、技術も体力も情熱もいることだろうと思います。元気や野心がある若者ならできるかも…と思いますが、なんと、北斎が大だるまの絵を描いたのは、数えで58歳のときだそうです。現代であれば、定年間近の年齢ですね。

なお驚きなのは、北斎が「冨嶽三十六景」を発表したのは、70歳を越えてからです。更に、その後には「百数十歳まで努力すれば生きているような絵が描けるだろう」という言葉を残しています。
6歳から絵を描いているという北斎は、90歳で亡くなるまで、絶えず研鑽をし続けたことがわかります。


さて、皆さんは、北斎のように「いつまでも続けたい仕事」がありますか?

かつての日本は、60歳が定年でした。
しかし、近年では定年が65歳に引き上げられたり、定年自体が廃止になってきています。総務省統計局「平成24年就業構造基本調査」によると、60歳以上の有業率は30.9%となっています。(※2)
60歳を越えても、再雇用、再就職、起業といった形で仕事を続ける人は、今後も増えていくことでしょう。

かつてのように「60歳定年」という基準があるならば、60歳を区切りにキャリアプランを考えれば済みます。しかし、今は「何の仕事がしたいか」だけでなく「何歳まで働くのか」も個人で考えなければならない時代になっています。

もちろん、北斎のように「好きなことを仕事にする」なんて、誰にでもできることではありません。「60歳以降も働くなんて嫌だ」と思う人もいるでしょう。長く働ける社会に対し、抵抗を感じる人もいると思います。

それでも、もしも「60歳定年」という概念がなく、死ぬまで働くつもりで今後のことを考えてみれば、今の働き方にも何か変化はあるのではないでしょうか。

職業人生が長くなる分、昔からやってみたかった仕事に就いてみたり、今の仕事のスキルをもっと高めてみたり…今よりもっと色々なことにチャレンジできるようになるかもしれません。
キャリアプランのゴールを60歳にするのではなく、試しに、いつになるかわからない寿命をゴールにして考えてみると、新たな発見があるかもしれません。

↓こちらもご覧ください。
60歳以上で働く人はどれくらいいる?【ブログ】

※1…「北斎だるせん!|名古屋市博物館」
http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/past/tenji170901.html
※2…総務省統計局「平成24年就業構造基本調査」より引用。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/topics/topi740.htm

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