パリジェンヌ展の第2章では「日々の仕事-家庭と仕事、女性の役割」がテーマとなっており、オノレ・ドーミエによる風刺画が展示されています。
青鞜派の第28図では、肌着姿の男性にズボンを投げつける女性が描かれています。
この絵には、次のようなコメントが記載されています。
オノレ・ドーミエ〈青鞜派〉第28図 |
-私ほどの女性に…ボタン付けをしてくれですって?ちょっと頭おかしくなったんじゃないの!
…-なんだと!…キュロットをはくだけではもの足りず…そいつを俺の頭にめがけて、投げつけるというわけだな!…
また、第7図では、物書きに夢中になっている母親の後ろに、浴槽で溺れる子どもが描かれています。
ドーミエは青鞜派シリーズの中で、仕事に熱中し家事や育児をおろそかにする女性を風刺しました。1840年代のフランスでは女性解放運動が活発になりましたが、「女性は家庭の仕事をすべきだ」という考えもまだまだ根強かったのです。このドーミエによる風刺画は1844年に描かれたものなので、今から170年以上も前の作品となります。
現代の日本でも、肩身の狭い思いをしながら仕事や家事に取り組む方はいるのではないでしょうか。
「家庭を大切にしたいのに、残業が多くて早く家に帰れない」、「介護で仕事を休むことが多く、同僚に申し訳ない」など、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)について悩んでいる方は多くいます。
他の立場の人を非難するよりも、老若男女問わず、お互いの特性や価値観を理解しあえる社会になるといいですね。
※1…「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち:概要」より引用。
http://www.nagoya-boston.or.jp/exhibition/list/parisienne-201706/outline.html(リンク切れ)
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